こんにちは!まろんぼーいです。
絵画にハマり、あらよあらよと2年間が経ちました。
2年間、特別展などを回りながら、いろいろな本を読みました。
インプットを増やしていって感じたのは、
「絵画の見方多すぎかよ!!(笑)」
前置きは無しにして、今回は特に目からウロコだった本を5冊、紹介したいと思います。
「こんな見方あるのか!」となっていただければ幸いです!
では、いきましょう!
【①入門編】論理的美術鑑賞 人物×背景×時代でどんな絵画でも読み解ける
まずはこちら。堀越啓さん著の「論理的美術鑑賞」。
この本、初心者が美術を好きになるのにもってこいだと思ったので、最初に挙げさせていただきました!
やっぱり初心者が美術館巡りや絵画鑑賞を始める際に最初にぶち当たるのが、
「どうやって楽しむか」。
シンプルですけどこれが難しいんです。
もちろん、美術に関して多くの本がありますが、よくあるのが後述する歴史の本だったり、あとは名画の解説だったり、画家の特集が多いと思います。
これって美術が好きな人にとっては面白いのですが、
そもそも美術が好きではなかった人にとっては、
「知識が増えたところで楽しみ方がわからないからなかなか読む気にならない」。
これを解決してくれるのが、この本。
著者独自の本の楽しむためのツールを作ってくれていて、それに沿って絵画を見るだけで絵画が楽しくなってくると思います。
しかもそのツール、歴史や絵画の技術など様々な視点から絵画を読み解けるようになっているので、
自分の好きな見方がわかったりさらにハマっていくと思います。
ぜひ、まずはこの本から始めてみてはいかがでしょう。
【②絵画の歴史編】名画で学ぶ経済の世界史
この本、著者の書き口が面白いんです。
「経済の世界史」と書いてあるとなんだか仰々しく見えてしまいますが、ぜひ一度中身をちらっと見ていただきたいと思います。
この本では、この本を美術館とみなして、各部屋が1つの国の特集になっているRoom1~7を、
著者がガイドとなって説明する形式となっています。
なのでそれぞれの部屋で国ごとの絵画の歴史を学べるのですが、この歴史の説明がちょうどいい(笑)。
詳しすぎる説明はあえてせず、むしろ僕たちが親近感を持ちやすいような題材を多く説明してくれるので、
それぞれの国、画家に興味を持ちやすくなっています。
それも、「経済」という名前が出ているだけあって経済と結びつけているからだと僕は思っています。
例えばサラリーマン画家とフリーランス画家どちらがいいのか問題や、
「有名な印象派の発端は当時の絶対権力に立ち向かう変革者たちのストーリーだ!」といった話をこの本では紹介しています。
現在も「会社員?それとも個人の時代?」の話題は尽きないです。
また、「大企業が正義なのか?」といった話もよく聞きますよね。
そういった、現代の僕たちの生活に通じるところがあるからこそ、この本は面白いんです。
絵画を楽しむのに歴史の知識は必須なので、歴史を学ぼうと思ったらこの本を選択肢の一つにしていただければと思います。
【③絵画の構造編】絵を見る技術 名画の構造を読み解く
歴史の次は、絵画の構造を学びましょう。
秋田麻早子さん著の「絵を見る技術」です。
「絵画を見るときは画家や時代背景を読み解け!」なんてことはよく言われることですが、
それ以外に、「そもそも名画は絵の構造的にも優れている」ということをご存じでしょうか。
僕たちは普段なんとなーく絵画を眺めていますが、
実は絵画には
「ここを注目してもらいたいからここに目線が行くように仕向ける」
「絵画全体のバランスを整えるためここにこれを配置する」
などの工夫が凝らされているんです。
これがわかると、なんか玄人になった気分になれますよ(笑)。
例えばどの絵にも一番注目してもらいたい「フォーカルポイント」というものがあります。
作品ごとにフォーカルポイントを一番目立つように工夫がされています。
例えば、真ん中に配置したり、色を対比させたり、複数の構造線がそこに向かって集約されていたりと
様々な方法で目立たせているのです。
また、フォーカルポイントを中心に、絵のバランス、つまり「構図」も同様にいろいろな方法で工夫がされているのです。
その工夫を探すのは宝探しのような感覚で、構図の基本がわかっていれば絵の楽しみ方が増えること間違いなしですよ!!
【④日本の美術館を楽しむ編】国立西洋美術館 名画の見かた
それ以外に、「そもそも名画は絵の構造的にも優れている」ということをご存じでしょうか。
上記①~③まで読めば、もうだいぶ美術にのめりこんでくるかと思います。
そこでおすすめなのが、渡辺晋輔さん著の「国立西洋美術館 名画の見方」です。
国立西洋美術館は、上野にある美術館ですね。
ヨーロッパの美術館の特別展がよく開催されています。
2020年8月現在、ロンドンナショナルギャラリー展がまさに開催されていますね。
美術館には、特別展とは別に常設展があります。
本書では、国立西洋美術館の常設展の作品を取り上げて絵画を紐解いている本です。
本書もこれまでの本たちとは違う切り口で読み解いており、「人物画」、「風景画」、「宗教画」などジャンルごとに解説がまとめられています。
ただ、本書の難易度は少し高めです。
ただべらぼうに高いというわけではなく、上の①~③を読んでいればちょうどいいレベルです。
本書ではまさに歴史と構図についてジャンルごとの特徴を解説しています。
②の本で歴史を、③の本で構図を学び、①の本の読み解きツールに沿って本書を読めばまさにばっちりだと思います!!
本書は多少難しい解説となっていますが、なんといっても実際に国立西洋美術館にある絵画を使って解説してくれているので、
すぐ実物を見に行くことができるのが魅力です。
学んだことを活かして絵画を見れると楽しいですよ~!
ちなみに僕は本書を片手に常設展を歩いた変人です(笑)。
【⑤絵画と脳科学編】なぜ脳はアートがわかるのか
最後に、王道からは少しそれますが僕が非常に好きな本を紹介させてください。
エリック・R・カンデル著の「なぜ脳はアートがわかるのか」です。
みなさん、絵画を見て、感覚的に「なんだかこのアート好きだなー」など感じることがあると思います。
本書は、そんな人の感じ方を脳科学の視点から考察している本です。
上記①~④の本は主にルネサンス~近代の美術が対象の本でしたが、
本書については現代美術についての本となっております。
現代美術、これが難しいんですよね~
正直、僕も現代美術については全然知識が足りないです。
現代美術がどういったものか知りたい方は、
カンディンスキー、ポロック、ロスコあたりの作品を検索していただければと思います。
彼らの作品を見てパット理解ができる方がいれば、まさしく天才ですね。
そんなわけで現代美術は難解な部分が多いですが、本書はそんな現代美術の変遷を学びつつ、
脳科学的なアプローチについて知ることができます。
かくいう僕は脳科学が非常に好きなので、
「美術と脳科学を関連させた本なんてあるのか!!」と一目ぼれで買いました。
実際に読みましたが、やはり面白かったです。
(面白くなかったらここでは紹介していませんね(笑))
本書の中では、脳の処理機能である「トップダウン処理」と「ボトムアップ処理」の2つが重要なキーワードとなっており、
この2つの処理のバランスや特徴を存分に生かしたのが現代美術のすごいところであると解説されています。
…。
全然わかりませんよね(笑)。
これは簡単には説明できないので、本書でぜひ理解を深めていただければと思います(笑)。
ただ僕的に超訳すると、
近代美術までの絵画は主題が決まっていました。
なので作品には作者の意図が至る所にちりばめられており、
その意図は作者がこの現実世界で感じたものを引っ張ってきて書いているのです。
だからこそ、画家や時代背景について、学ぶことが重要なんですね!!
一方で現代美術が目指したのは、
「作品を見た時に現実世界の何物にも誘導しない作品」です。
あくまで見る鑑賞者の感じ方によってのみ作品の印象が決まる、そんな鑑賞者参加型の作品を作ったんです。
これって一見適当に描けばいいかと思いますが、めちゃめちゃ難しいんです。
絵を描いてと言われると、僕たちは必ず現実世界の何かを連想して書きますよね。
現代美術は、その何物も連想させてはいけない作品を目指しているので、逆にムズイんです(笑)。
そんな考え、常人の僕には思いもつきませんけどね(笑)。
ただこのように、鑑賞者の感じ方によるものが大きいからこそ、
現代美術には脳科学が必要なんです。
どうでしょう。
不思議だけど奥が深そうな現代美術の世界に少し触れてみたいと思っていただけたでしょうか。
最後に
以上、いかがだったでしょうか。
歴史、構図、から脳科学まで、さまざまな楽しみ方があることがわかっていただけたのかなと思います。
僕自身もこれからもよさそうな本があればどんどん読んでいく予定なので、
また新しくおすすめの本ができたら紹介させていただければと思います!!
ということで、今回は「美術に関するおすすめの本5選」でした!
ご覧いただき、ありがとうございました!!